ゲーム市場の成長は勢いを増している。現在、全世界で毎日22億人がゲームをプレイしており、ジュニパーリサーチ(Juniper Research)社の予測では、eSportsとストリーミング市場の総売上高は2016年の18億ドル(USD)から2021年には2倍の35億ドル(USD)に増加すると予想されている。
ストリーマー(ゲーム実況者)達の活躍は目を見張るものがあり、視聴者は全世界で6億6600万人いると試算されている。これはアメリカ合衆国の人口の実に2倍にあたる。
仮想通貨DeStream(ディーストリーム)とは
視聴者が熱狂的にストリーマーのゲーム実況を視聴するようになった理由はどこにあるのだろうか。
それは、ストリーマー達がゲーム実況やコメントだけでなく、歌ったり、踊ったりと、クリエイティブな魅力でオーディエンス達を惹きつけている点にある。視聴者はストリーマーのエンターテイナー性を楽しみ、そこから活力を得ているのだ。ストリーマーはその対価として、広告収入、コミュニティ購読料、寄付(投げ銭)、グッズ販売等の収益を得ている。
あるアラブの富豪は数名のストリーマーに5万ドルの寄付を支払っているという話もある。
しかし、その収益で生計を立てられている人気ストリーマーはほんの一握りだ。
DeStreamは、ストリーマーが収益を上げる為のインフラストラクチャを構築することで、ストリーマーの収益を最大化し、トップランク以外のストリーマーにも収益の機会を提供する。
DeStreamは既存のストリーミングサービスの上位互換であり、ストリーマーと視聴者に新たな交流アクティビティを提供し、エコシステム内のサービスの寄付と支払いの為の財務ツールとなる事を目指している。
DeStreamが考えるストリーミングシステムの問題とは
既存のストリーミングシステムには多くの弱点があるとDeStreamは分析する。
例えば、PayPal、webmoneyなどの支払いシステムが混在している場合は複数のウォレットや口座を持たなければならないし、手数料の高さはストリーマー達を圧迫している。
引き出し手数料は10%~15%と高額で、支払いも不安定ともなれば、トップランクにいないストリーマーが広告主から広告収益を得る事はほとんど不可能な状況と言える。
DeStreamはブロックチェーンテクノロジーにより、手数料が他システムと比較して最大20分の1(0.77%)になるとしている。
また、既存のストリーミングシステムの都合による急な規制や報酬の引き出し制限に悩まされる事もなく、スマートコントラクトによってストリーマー報酬プロセスの透明性を担保する。
DeStreamを利用する事で、ストリーマーはこういった煩わしさから解放され、高品質コンテンツ作成に集中し、収益を最大化する事ができるようになるのだ。
ゲーム報酬とスマートコントラクト
ストリーマー業界には「寄付(投げ銭)」という文化がある。
例えば、人気ストリーマーがゲーム実況でテクニカルな技を決めると、オーディエンス達は盛り上がり、リアルタイムで寄付を行う。
寄付の売上高は、2017年アジアを除く統計だけでも8億ドルに達しており、2019年には更に56%の増加を予想される。
そのほとんどが少額決済であり、ブロックチェーンによる低コスト寄付はストリーマーと視聴者の双方に大きなメリットを提供するだろう。
ゲーム報酬とスマートコントラクトは相性が抜群に良く、DeStreamではストリーマーが視聴者に”サービスカタログ”と呼ばれるオリジナルサービスを提供できる。
サービスカタログは、例えば”5分以内に敵10体を倒す”や”ボスをノーダメージで倒す”等、ゲームアクティビティに深く関わる契約を自動化できる点が特徴的である。
そして、視聴者はサービスカタログの中から好きな内容を選択して契約し、ストリーマーは契約者からの寄付を受け取りたければ、ゲーム内ミッションをクリアしなければならない。ミッションに失敗すれば契約は破棄され寄付が受取れない様にも設定可能で、この選択をした場合、寄付は成功報酬へと変貌する。
スマートコントラクトによる契約の自動化によって、いわゆる「多重解釈」をなくす事ができる。ストリーマーのゲームパフォーマンスに視聴者が納得せず、支払われる筈の報酬が受け取れない等のトラブルを回避する事が可能で、ストリーマーと視聴者の信頼関係を築く事にも貢献する。
また、上級ストリーマー向けオプションとして、”スマートコントラクト・ビジュアルデザイナー”を提供している。
ビジュアルデザイナーは、プログラミングスキルや技術的なバックグラウンドがなくても使用でき、ゲーム難易度が高いアクション、例えば”戦闘中に指定のダンスを完璧に踊る”等、自由にビジュアルデザインした項目をサービスカタログに加える事で、視聴者にストリーマー独自のエンターテイメントを提供する。
このシステムはストローマーと視聴者が交流を深め、ゲーマーの技能を収益に結びつける。
広告報酬とスマートコントラクト
現状、トップランクにいないストリーマーが広告依頼を受けることはほとんど不可能である。
しかし、DeStreamでは広告主にとって強力な分析ツールを備えた効果的な広告チャネルが提供される。
広告主はストリーマー達との新たなコミュニケーションと交流を導くサービスを活用する事で、ビッグデータに裏付けられた広告ターゲット・オーディエンスの適切性を分析した広告の配信を可能にする。
これは広告主のROI向上に貢献献するばかりでなく、トップランクにいないストリーマーの視聴者層へも広告がリーチし、多くのストリーマーに広告収入の機会が訪れることを示している。
Stratis(ストラティス)プラットフォーム
DeStreamは多くのICOが選択する手数料の高いERC20を採用せず、Stratisプラットフォームを選択した。StratisはC#言語によるプログラミング開発が行われており、開発・拡張を容易としている。スマートコントラクト・ビジュアルデザイナーとの相性は抜群だろう。
DeStreamトークンとBancor(バンコアー)プロトコル
DeStreamからは、内部決済用トークン(DeST)と交換トークン(DST)が発行される予定だ。
DeSTトークンとDSTトークンは1対1で交換できる。内部決済用トークン(DeST)は、寄付・手数料支払い・デジタルコンテンツ購入・広告主からの報酬・提携ショップ内グッズ購入・ビッグデータ分析アクセス・サービス支払い等で使用できる。
一方、交換トークン(DST)は、任意の仮想通貨との交換にBancorプロトコルを使用するという特徴がある。Bancorは、異なる仮想通貨を交換する際の価格設定を自動化する仕組みである。
Bancorによってトークン流動性を確保し、DeStream内トークンで収益を上げたストリーマー達が安定した換金を行う手助けとなりうる試みだ。
DeStream(ディーストリーム)パートナー
DeStreamのパートナーシップにも注目したい。
DeStreamは欧州・ロシア・アジアのゲーム愛好家から支持を得ているオンラインeSportsトーナメントプラットフォーム”クリックストーム(Click-Storm)”とパートナーシップを締結しており 、プラットフォームコミュニティツールにAPIを提供する事でDeStreamとeSportsの連携を加速させている。また、ゲーミング・チェアを製造する”ワープ(WAR)”とも提携しており、DeStream内ストアでDeSTトークンを使って購入ができる。
他にも、ゲームストリーミングの”ツイッチ(Twitch)”、取引所の” フオビー(Huobi)”、”ロンドンブロックエクスチェンジ(London Block Exchange)”との提携も交渉中である。
DeStream(ディーストリーム)のICOについて
ICOは現在クラウドプレセールをウェブサイト上(https://destream.io/)で実施している。
このプロジェクトは既に創業者が資金調達を行い、プロトタイプを開発中だが、今回のICOを通じてDeStreamはこのプロジェクトを世界規模で発展させたいと考えている。創業者兼CFOのターチャット・イギティアン(Tachat Igityan)は、「現在のトークン価格は将来的に想定している価格よりはるかに安価だ。安心して購入して欲しい。」と、ICOに自信を覗かせる。
ターゲットキャップは900万ドルだ。「ハードキャップ1200万ドル迄は不要だ。」とイギティアンは語る。
ICOで集めた資金の20%でファンドを運用する予定だ。ファンドの運用利益は、世界中の通貨の為替差損とDeStream利用ユーザーへの手数料負担の削減のために使う。
DeStream(ディーストリーム)主要メンバー
DeStream.io創業者兼最高責任者(CEO)
アナー メキティブ (Anar Mekghiiv)
メキティブ氏は2003年にサポートスペシャリストとして、ロシア第2位の携帯電話キャリアであるメガフォン(MegaFon)社 に参加、2005年にプロジェクトマネージャーに就任。メガフォンの支店オフィスをより機能的な、IT管理プラットフォームへ移行させるプロジェクトを監督。
2008年、同社のリーディングビジネスアナリストに就任した。
2010年、レトグラフ(Letograf)社に異動し、カザフスタン政府サービス実施プロジェクト参加し、プロジェクトの成功後にモスクワに戻り、複雑な開発に特化した独自のIT技術の開発に着手。
現在は洗練されたソフトウェア製品、ポータルソリューション(インターネット、イントラネット)、モバイルアプリケーションを開発、そして技術コンサルティングを行い、ブロックチェーンを含む革新的な開発を推し進めている。
DeStream.io創設者兼CFO
ターチャット・イギティアン (Tachat Igityan)
イギティアン氏はTagline Agencyによる、Web開発市場における最も影響力のある50人のうちの1人に選出され、デジタルマーケティングとウェブ開発の市場において10年以上の経歴を持つ。企業においても豊富な経験を持ち、大企業(ガスプロム社 , ルクオイル社 , ノヴァテック社 )とさまざまなプロジェクトを行ってきた実績もある。
また、デジタルマーケティング、インターネットエージェンシー管理(RIC)におけるロシア最大のビジネススクールの創始者である。その後、金融サービス業界にて4年のキャリアを積みtranzaptor.comを立ち上げ、その後売却。
2017年以来、数々のICOプロジェクトのアドバイザーを行い、アルメニア財務省の暗号通貨規制に関する専門家会議メンバーでもある。
最後に
日本ではまだまだ馴染みの薄いeSports(プロゲーマー)業界だが、国際オリンピック協会がeSportsを五輪競技として検討を行うなど、世界規模では拡大の一途をたどっている。
当然、VR/AR市場にもストリーマーの潮流は巻き起こるだろう。
DeStreamは、ストリーマー達が円滑に活動できるプラットフォームを提供する事で、新たな新星(スター)を産みだしていきたいと語る。
ストリーマー達からの支持を集める事が条件だが、将来は世界標準のプラットフォームに進化する可能性を秘めている。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
DeStream(ディーストリーム)のICOやビジョンなど今後の動向についてより詳しく知りたい方は下記の公式HPをチェック。
https://destream.io/
・DeStream(ディーストリーム)ツイッター
https://twitter.com/destreamproject
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