仮想通貨リスク(LISK)とは?
日本の暗号通貨投資家の中で“LISK”(リスク)を知らない人はいないだろう。
コインチェックの上場通貨として日本でも人気があり、Coin Market Cap では約1600種類ある通貨の中でも20位前後にランクインしている。
LISKは、昨年年末から現在までにLISK CORE1.0へのアップデート、リローンチ、リブランディング、そして日本最大の取引所ビットフライヤーへの上場を果たし、さらなる注目を集めているプラットフォーム型の暗号通貨である。
LISKはプラットフォーム型の暗号通貨として代表的なイーサリアムと比較されることが多いが、セキュリティや自由度の高さ、Java言語やサイドチェーンの採用などで差別化される。
また、新規参入のハードルを下げるため開発者に対する利便性の向上を目標に開発が進められている。これは「ブロックチェーンアプリケーションを使うことで、より多くの人が恩恵を受けて欲しい」「すべてのJavaScript開発者がすぐに利用できる利便性の高いプラットフォームを作りたい」という開発チームの意見を反映している。
今回、ミートアップやカンファレンスへの参加などのために訪日しているLISKのCEO、マックス氏(Max Kordek)の単独インタビューに成功した。
仮想通貨リスク(LISK)のCEO、マックス氏とのインタビュー
私たちのミッションは、開発者達がLISKのプラットフォームを活用して独自のブロックチェーンを作れるようにするということです。
いまでこそスマートコントラクトの開発は容易になってきましたが、本当に独立したブロックチェーンを作り上げることはとても難しく、複雑な作業が必要です。そこで、私たちはこの問題を解決できる方法を探り、現在提供しているSDK(The Sidechain Development Kit)のようなものが必要だという答えにたどり着いたのです。
SDKはツール、スクリプト、アプリケーション、ドキュメンテーション等を詰め合わせたツールボックスのようなもので、独自のブロックチェーンを作れます。昔はインターネットの世界でも、自身のウェブサイトを作るのは大変な作業でした。そこにルビーオンレイル(Ruby on Rail)やディージャンゴ(Django)の様な企業がWebアプリケーションフレームワークを提供して、簡単にウェブサイトを作れるようにしました。私たちはこのブロックチェーン版を提供し、開発者が簡単かつスピーディーにブロックチェーンを構築できるようにしたのです。そして、LISKトークン(LSK)は開発者に対して、ブロックチェーン構築に必要なLISKプロトコルの使用権限を提供します。
また、登録制なので集結した開発者達が協力し、SDKを発展させてトークンの発行や管理を容易にしていくのです。こうすることで単独では行えない作業も協力して行うことができ、なおかつ多くのアプリケーションを装備した利便性の高いSDKを作り上げようとしています。
私たちは2年前からベルリンで40人以上の熱心なチームメンバー達と一緒に利便性の高いSDKの開発に取り組んでいます。
その他にも、世界中の企業と協業してシステムデザイン、パブリックリレーションズ、マーケティング等にも注力し、皆でこのプロジェクトの発展を支えています。最近では、その成果としてLISK Core1.0のリリースという大躍進を遂げました。
ブロックチェーンの開発はとても複雑なので、ここに辿り着くまでにかなりの時間を要しましたが、おかげで新しいアドレスシステム、料金システム、その他多くの機能を追加することができ、各々の処理スピードも飛躍的に向上しました。
つまり、すべてのスマートコントラクトが膨大なアプリケーションと同じ場所にあるため、飽和状態を招き、トランザクション手数料も高額になります。
LISKの場合は、各々が独自のブロックチェーンを立ち上げ、そこでアプリケーションを可動させて個別にトランザクションタイプを設定します。それをLISKのブロックチェーンにリンクさせるだけなので、1つのブロックチェーン上に1つのアプリケーションしか存在しないわけです。
そうなるとトランザクション手数料は安くなりますし、ブロックチェーンの内部が混雑する可能性も低くなります。イーサリアムはスマートコントラクトプラットフォームであり、そのアイデア自体は非常に良いと思います。それに対して、LISKは独自のブロックチェーンを構築するので「ブロックチェーンプラットフォーム」と言えるわけです。
サイドチェーンを構築した場合は開発の自由度が増しますので、好きなように開発できます。もちろん、サイドチェーンにはメリットもあればデメリットもあります。まず、あなたが希望するものをいろいろ詰め込むと、それだけ複雑になります。
イーサリアムの場合、セキュリティに少し問題があったり、自由度が限られますが、スマートコントラクトを作成することは簡単です。LISKの場合、サイドチェーンとして独自のブロックチェーンを構築することは簡単ですが、機能が増えるほど開発過程は複雑になります。ですが、可能性は無限大と言えます。
また、LISKのプラットフォームはサイドチェーンを構築してアプリケーションを稼働させるために存在するので、小規模な使用には向いていません。
例えばイーサリアムであれば、当該機能を持つスマートコントラクトを作成すればトークンを契約内容に応じて数日間ロックすることができます。このようなことはLISKプラットフォームだけでは不可能ですが、サイドチェーンで稼働させるアプリケーションの仕様次第では、もっと細かい設定ができるようになります。
世界からの関心は非常に高く、イベント自体は成功に終わったと思います。
アップデートされたシステムや一新されたロゴマークも気に入ってもらえましたし、初動段階にも関わらずリリースされたウォレットアプリ“LISK HUB“も好評でした。
しかし、これは始まりに過ぎません。さらに開発を進め、すべての機能を向上させていきます。リローンチは用意周到に行なったので時間を要しましたが、いまの体制になってからは毎月アップデートを行えるようになりました。
リスクアカデミーとは
そこで、初心者から熟練者まで誰でも学べる教材を提供しようと思いました。
初心者といっても素晴らしい技術を持っている人が数多くいるので、そのような方々にもこの分野に参入してもらうことが目的です。
なので、リローンチイベントはリスクアカデミーの紹介からスタートさせました。ここではリスクに関してだけではなく、ブロックチェーン技術、Decentrilization(非中央集権・分散化)、ICOやその他暗号通貨に関する主要項目に付いても学べるようになっています。
リスクアカデミー内には、それらを説明するためのインフォグラフィックスや動画を数多く用意しているので、まずはリスクアカデミーのサイトに行って、実際に見ていただければと思います。
第一章では、ブロックチェーンとはなにか? ブロックチェーン技術はどのように稼働するのか? ブロックチェーンが実社会にもたらす恩恵とはどのようなものがあるか? などの一般的な内容を説明し、いくつかのビジネスへの応用例も紹介しています。
第二章はよりビジネス向けの内容となっており、さらに具体的なビジネスでの使用例、コミュニティ生成、マーケティング手法、法令関係の知識について学べます。
そして、ICOを行うために必要なホワイトペーパーの作成やトークンの発行に関わる知識なども学ぶことができます。それらを終えると「ビルダーズ」と呼ばれる次の章で、LISKプラットフォーム上でのブロックチェーン構築方法などの本格的な技術を学ぶことができます。LISKアカデミーに入れば、1から10まで一通り学ぶことができ、この仕組みをワンストップショップと呼んでいます。
リローンチイベントから今日に至るまで、日々新しいコンテンツを加えながら改良に改良を重ねています。また、LISKのモーションデザイナーのジュリアンは、いま教材の中で使用される大量の説明用ビデオを用意しています。
やはり文章を長々と読むよりも映像としてイメージを頭に描きながら理解する方がより効率的ですからね。
リスクが分散型の取引所を開設!?
しかし、今後はLISKのプラットフォーム上で数千のプロジェクトが立ち上がりICOが行なわれて行くと予想していて、その全ての代表者が私と同じように世界を飛び回ることは非常に困難でしょう。
そこで私たちは中間マージンが不要で、なおかつ信頼の置ける分散型の取引所の開設を考えました。LISKベースで発行されるトークンはすぐにその取引所でトレード可能な状態になるのです。もちろん、どのような規定を設けるかを念頭に置き、取り扱うトークンの法的背景や事項などはしっかりとチェックして行く予定です。
例えばアイコノミー(ICONOMI) は400万LSKを集めましたが、これはLSKでの支払いを受けつけただけに過ぎず、LISKプラットフォームを使ってトークン発行したわけではありません。
しかし、いまでは私達が提供するSDKの準備が整ってきており、LISKプラットフォーム上でICOが生まれようとしています。マダーナ(MADANA) はすでに発表されているプロジェクトですが、準備が整い次第ICOの発表がされると思います。
おそらく今年の第3四半期にはLISKプラットフォーム上での初ICOが行われ、その後は断続的に他のICOが続く予定ですので、楽しみにしていてください。
日本はとても重要なマーケットと捉えていますし、この上場によって流動性が上がり、より多くの方が手軽にLSKを購入できるようになったと思います。
加えて、投資家に向けてと言うだけではなく、より多くの人々にLISKのエコシステムを知ってもらう良いきっかけになりました。
また、年末年始にかけて暗号通貨市場の時価総額が爆騰し、その後コインチェックの問題があり、日本ではLSKを購入する場所がなくなってしまいましたので、そういった意味ではビットフライヤーとLISKの双方にとって良いタイミングだったと感じております。
ミートアップは去年行った大規模なものではなく、小規模なコミュニティに対してのものです。そして、Slash Tokyoにも参加し、壇上スピーチを行う予定です。こちらのカンファレンスは暗号通貨だけではなく、ITテック全般のスタートアップ企業が参加する催しです。
暗号通貨関連のカンファレンスへの参加はもちろん重要なのですが、それだけだと他の分野へのアピールが不足してしまいます。
今後ブロックチェーンは実社会全体に広がっていく技術なので、LISKというものをより多くの方に知ってもらい、暗号通貨の世界に興味を持ってもらうのが目的です。
先程も話した通り、日本はとても重要なマーケットと捉えておりますので、今年も最低2~3回は訪日していろいろなマーケティング活動をしたいと考えています。私は個人的に日本という国がとても好きなので、良い機会やオファーがあればもっと頻繁に訪れたいですね。
彼はとても経験豊富で、過去にソフトウェア・エンジニアや企業など様々な役職を経験しており、フルスタック・デベロッパーとして活躍してくれています。オフィスに関してですが、ベルリン以外でも開設しようという案は出ています。いまのところ、国や詳しい時期は決まってませんが日本もその選択肢の一つです。
投資となると、もちろんですが価格が一番気になるところだと思います。
LISKは最高値の40ドル(USD)から10ドルくらいまで価格を下げましたし、ビットコインも20,000ドルから7,000ドルです。
みなさんは少なからず恐怖を感じるかもしれません。しかし、こういう時だからこそ本質を見極める必要があると思います。それぞれの通貨(企業)の仕組み、プロフェッショナリズム、チーム、プロジェクトの質と技術、資金量、テクノロジーなどをしっかりと検証してください。
LISKがそのすべてを満たしているとは言いません(本当のところ全部満たしてますけど!笑)。LISKはシステム開発に予定以上の時間を要します。しかし、ブロックチェーン技術は非常に複雑なので、SDKのようにクオリティの高いシステムを作るためには仕方がないのです。
とにかく、根本的なところをしっかりと見極めてください。状況は常に変化しています。
2017年のように、どのプロジェクト(通貨)に投資しても儲かるというような状況ではありません。Coin Market Capの上位25位以内には、素晴らしいプロジェクトがいくつかあります。
もしあなたが、この様な状況でも暗号通貨の未来と可能性を強く信じて投資するのであれば、これはとても重要な事だと思います。
私はこの市場を長期的な目線で見ています。今後、ブロックチェーン技術の広がりとともに暗号通貨も実社会に普及していくと思います。例えば、東京全体を見渡してもブロックチェーン技術を利用したサービスやビットコイン決済が出来るお店なんて少ないですよね。
まだまだ、この市場は初期段階です。この世界でハードウェアの時代、ソフトウェアの時代、ネットワークの時代と徐々に変化し、暗号通貨の時代は始まったばかりです。ある人はビットコインは既に9年経っているといいますが、そうではありません。
ビットコインの本質的なところがクローズアップされたのはつい最近の事ですから、いまがスタート地点なのです。よって、私はブロックチェーンについて1~3年という短期目線ではなく10年程度の長期目線で考えており、10年先にブロックチェーンがどのように社会に変革をもたらし「私たちに恩恵を与えてくれるのか?」という事を考えております。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
仮想通貨LISK(リスク)の現状や将来図などが詳しく理解でき、ますます興味を持った方も多いと思います。
今後、LISKのプロジェクトがますます飛躍することを期待しておきましょう。
LISKについてより詳しく知りたい方は下記の公式HPをチェック。